制作背景
近年、InstagramやTikTokを通して様々な人の楽しそうな生活の様子を目にする機会が増えました。旅行に行ったり、おしゃれなカフェに行ったり、他人のキラキラした日常を見てると、「それに比べて私は…」と、なんだか自分の生活が物足りなく感じてしまうこと、よくあるのではないでしょうか。
私自身もSNSを見ていて、他の人がすごく輝いて見えて、「自分は全然ダメだ」って落ち込むことがよくありました。でも、そもそも「幸せ」って、人それぞれ違うはずです。
また、最近よく聞くのが、「ウェルビーイング」という考え方。これは、お金や成功だけじゃなく、心の健康とか、人間関係とか、自分らしく生きることとか、色々な要素を含めた「幸せ」のことです。
ウェルビーイングという概念は、SNSが広く普及する現代社会でとても重要なものです。SNSで誰かと比較し自分自身を見失ってしまうのではなく、「自分にとっての幸せって何だろう?」って、自分自身と向き合うことがとても大事だと考えます。
そうしたことから、私は改めて「自分だけの幸せ」を見つめ直したいと思いました。そして、私と同じようにSNSで悩んでいる人や、自分らしさを見つけたいと思っている人が、自分なりの幸せを見つけるきっかけになるような作品を作りたいと考えました。
「ウェルビーイング」って何?
「ウェルビーイング」という言葉は、1946年に設立された世界保健機関(WHO)憲章の前文で初めて使われたとされています。ウェルビーイングとは、ただ体が元気なだけじゃなくて、心も満たされて、人間関係も良好な、そんな満たされた幸せな状態を指します。
ウェルビーイングという言葉自体は割と最近生まれたものですが、その中心にある「幸福」については昔から色々な人によって考えられてきました。古代ギリシアのアリストテレスや紀元前中国の孔子、近世ヨーロッパのカントなど、様々な人が「幸せとは何か」を考えてきました。そして、それら様々な人の考えが現在の「ウェルビーイング」の考え方を形作っています。
現代では、更にウェルビーイングの研究・考察が進み、マーティン・セリグマンの「PERMA理論」や前野隆司の「幸せの四つの因子」など、「どうすれば幸せ・ウェルビーイングになれるのか」というわかりやすい行動指針が示されるようになりました。また、時代を経るごとに変化してきた価値観や社会状況(多様性の社会、SNSの普及による他者比較の増加など)も相まって、現在ではウェルビーイングが強く注目されるようになってきています。
自分の「ウェルビーイング」を考えるには?
私は自分自身のウェルビーイングを知るためには、「日々の生活を丁寧に振り返ること」が効果的だと考えました。
毎日何をして、その時どう感じたか、無意識にやってることなどをじっくり思い返してみると、自分の好きなことや、大切にしてること、色々なことが見えてくるのではないかと思います。自分では普段気づかなかったような無意識の行動にももしかしたら気づくことができて、新たな自分の発見もできるかもしれません。
日々の生活を丁寧に振り返ることで、普段は見逃してしまうような、「小さな幸せ」に気づくことができるのではないかと考えます。
生活に溢れる「小さな幸せ」に気づくことで、日々の暮らしがより楽しくなるのではないかと考えます。小さな幸せに気づき、それら一つ一つを味わいながら生活することで、充実感が得られるのではないでしょうか。
ウェルビーイングについて調べていくと様々な考えや理論が出てきて、なんだか難しい感じがしたり、ウェルビーイングになるのは大変なことのように感じてしまったりします。でもきっとそんなことはなくて、ウェルビーイングは日々の生活の中にすでに息づいているものであると思うのです。
「日常の中の小さな出来事を丁寧に味わい楽しむ」ことがウェルビーイングになり、そしてそのためには「日々の生活を丁寧に振り返ること」が重要だと考えます。日々の中で、楽しいこと・うれしいこと・心が動くことは何か、じっくり振り返り気づくこと、これが「自分のウェルビーイングを考えること」になるのだと思います。
日々によりそう妖精「Happypals(ハピパルス)」
「Happypals(ハピパルス)」は、「ハッピー」なこと、楽しいことが大好きな妖精たちです。幸せを意味する「Happy」と、仲間・友だちを意味する「Pal」を組み合わせた名前です。
彼らの生活は、幸せと喜びで満たされています。普段、彼らは私たちの目には見えませんが、常に私たちのそばにいて、私たちの生活を観察しています。そして、私たちが心から楽しんでいること、幸せを感じていることを見つけると、それを真似して、彼らも同じように幸せな気分を味わうのです。
たとえば、私たちが友人との会話を楽しんでいる時、美味しいものを食べている時、美しい景色を見た時、そんな私たちの日常の幸せをハピパルスはそっと真似て、彼らも幸せな気分を味わっています。
鑑賞者はそんなハピパルスの生活の様子を見ることで、「私もこんなことしたことあるな~」、「これをしている時確かに楽しい!」、「これをすると幸せな気持ちになれるのか」 などの共感・気づきを得ます。それらを通して、自分の生活を振り返り・新たな幸せの発見をすることができるのです。
ハピパルスの姿は、「幸せ・楽しい」から連想されるような要素(カラフル、笑顔、丸いフォルム)とユニークで記憶に残る要素(おしり丸出し、目立つ鼻、生々しさ)を取り入れてデザインしました。
ハピパルスを見るだけで楽しくなれるような、そんな見た目を目指しました。
ハピパルスの生活の様子
ハピパルスの生活の様子を表現するために、私の身近な人に「日常の小さな幸せインタビュー」を行い、様々な人の小さな幸せを集めました。
そして実際に皆が感じている小さな幸せをハピパルスの生活の一部として取り入れ、それらを「ジオラマ」と「写真」の2つの方法で表現しました。
ジオラマは、ハピパルスが住む場所や、どんな風に過ごしているかの空間・土台を表現します。写真は、ジオラマの中の一場面を切り取り、ハピパルスの生活の時間の流れやハピパルスの感情などのストーリーを表現します。
ジオラマと写真の2つが一緒になることで、ハピパルスの生活をより一層生き生きと表現できるようになり、鑑賞者の想像を広げます。








































